大学案内

佐藤磨氏からのメッセージ

プロレーサーとして、現在はアメリカを舞台に活躍中の佐藤 磨さん。
クルマが大好きで、どうしてもレーサーになりたくて、大学を途中下車。
子どもの頃に夢だったレースの世界に飛び込んだそうです。 そんな佐藤さんが2012年4月からNACの客員教授に就任。
2014年も引き続き、客員教授として、NACの学生たちと一緒に、これからの自動車業界について考えたり、レーサーとしての心得やテクニック、人生の楽しみ方などをお話しいただく予定です。

NO ATTACK,NO CHANCE.
どんなに失敗しても、挑戦し続けることで道は開かれます。
若いみんなは大きな可能性を秘めているから、
好きなことを一生懸命に目指してもらいたいです。

佐藤琢磨氏 プロフィール写真

1977年東京都生まれ。高校時代から自転車競技を始め、インターハイ、全日本学生選手権優勝。しかし、幼い頃、鈴鹿でのF1観戦から芽生えた夢をあきらめられず、1997年、鈴鹿レーシングスクール・フォーミュラ(SRS-F)へ入門、首席卒業。1998年、ヨーロッパでレース活動をスタート。F3ドライバーとしてのキャリアを積み、2001年イギリスF3選手権でシリーズチャンピオン。マカオGP優勝を含む快進撃でF3界の頂点を極めた。翌2002年、ジョーダン・グランプリのドライバーとして、自転車競技からモータースポーツへ転身後わずか5年でのF1デビュー。B・A・Rホンダ移籍後も着実に実績を残し、2004年にはヨーロッパGPにおいて日本人ドライバー史上初となるポールポジションを獲得。アメリカGPでは3位表彰台に上がる快挙。しかし、その後は度重なる不運やチーム事情の変化、スーパーアグリへ移籍するも2008年チームはF1撤退するなど、様々な難局に翻弄される。2010年からは、米国インディカーシリーズ参戦を決意。KVレーシング・テクノロジーからインディカー・シリーズに参戦。2011年には2度のポールポジションを獲得(日本人初)。2012年は、レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングへ移籍し、第4戦で3位、第12戦で2位と、日本人初の年間2度の表彰台も達成した。 2013年、2014年はA.J.フォイトレーシングから参戦。2013年インディ500第3戦ロングビーチではインディカー・シリーズ、トップフォーミュラの歴史において日本人初の優勝を成し遂げた。また、2014年からロンドンなどストリートコースで全10戦開催予定の電気エネルギー利用フォーミュラカー新シリーズ「フォーミュラE」において、スパーク・ルノーSRT_01Eと名付けられたマシンの開発ドライバーに起用されている。

学校や学生たちの印象はどうですか?

まず最初に、施設・設備が素晴らしいなと思いました。キャンパスも大きいですし、学ぶ内容と目的ごとにしっかりと区分されていて、学生さんたちが裸になったクルマを相手にしている様子を見ると、ほんとにクルマが好きなんだなぁという感じがすごく伝わってきました。その楽しそうに作業している様子をとてもほほえましく感じました。
僕自身も子どもの頃からクルマが大好きでしたが、専門的な授業を受けたり、自分の手でクルマを触ったりはできなかったので、自分が学生の頃にNACとの出会いがあれば、こんな環境でやってみたかったかもな、と思いました。

好きなことをあきらめずに仕事にするには?

情熱と自分自身を信じる気持ちは絶対に必要なものだと思います。自分は敷かれたレールの上を歩いたわけではなくて、ほとんどモータースポーツの経験もない、知らない状態から、「自分の夢を追いかけたい!好きなことだからとことんやってみたい!」という強い気持ちがあって、ありとあらゆる手段を尽くして、自分が決めた道に突き進もうと。そのために動けたのは、ずっと持っていた夢を実現したいというモチベーション、情熱が常に自分にあったからだと思います。
もちろん、現実は理想通りにいかないことも多いし、乗り越えるのは無理と思う瞬間もあるかも知れないけれど「やってみなければわからない。自分自身を信じて、やればできるんだ」と強い気持ちを持つこと。それは何をするにも必要だと思います。

「好きなことを仕事にするため学校で学ぶ」ことについては?

自分にはレーシングドライバーになりたいという強い思いがあったので、レースドライバーにとっては学校のような鈴鹿サーキットレーシングスクールに入ろうと決意しました。 基礎からきっちりやることが大事だと思いましたし、スカラシップ制度(成績優秀者にレース参加費援助)があることが大きかったです。僕にとっては、レースドライバーになるために、それまでのリザルト(レース成績)は絶対的なものですが、それが自分にはない中で、しっかりとした環境でレースに出るには、多くの人たちの支えがなければ実現できない。スクールでコンペティションが始まり、絶対ものにするんだ(スカラシップを獲る)、負けないぞという強い思いが自分自身を動かして、上(スクールの上位成績)に上がっていけたと思います。
僕自身、スクールでドライビングとレースの世界の基本を学んだので、自分のオリジナリティを出す前に、しっかりとした基礎を学校で身につけるのは大事なことだと思います。

NACの「イタリア留学」や「レース現場研修」については?

学生の時に社会に出て、それぞれのプロフェッショナルな現場を見て、肌で感じて、経験するのはすごく大事なことだと思います。自分の中に具体的な目標やイメージができると思うので、それを実現するための知識や技術の習得方法を探っていけばいいと思います。初めて経験することも多いでしょうし、学校で実習してシミュレーションしても、現場ではいろんなことが起きるだろうし、でも、それが大変というよりは…(NACの場合)楽しそうですよね。留学や現場研修は世界が大きく広がるという意味で、とても良い刺激になるんじゃないかと思います。NACの学生さんたちは、自分が好きなことをめざしていると思うので、いろいろなところからエネルギーも出てくるだろうし、自分の新たな世界を探すという意味でもモチベーションが高いと思うので、学べる環境があるということは素晴らしいと思います。

NACの学生に期待することは?

礼儀とマナーは絶対です。当たり前のことですが本当に大事なことですね。そして若さを武器に、自分のアイデア、やってみたいことに、とことんこだわってもらいたいです。たとえ完全にカリキュラムに沿っていなくても(笑)、失敗を恐れないで挑戦してほしい。その中から新しい世界が見えるかも知れない。自分自身で強く思うことがあれば、とことんやってみる。そんな気持ちを大事にしてもらいたいです。

充実した学生ライプと、自動車についてとことん学べるNACのキャンパスで、昨年同様、2014年も、みんなと会えるのを楽しみにしています。

佐藤磨氏の人柄、生き様に触れたスペシャルイベント!

2013年10月26日、土曜日。NAC客員教授に就任中の佐藤磨氏の来学特別大学祭・キャンパス見学会イベントを開催。台風27号と28号が接近しており、天候が心配されましたがイベントは見事に晴れ。プログラムはNACの学生たちへの特別講演やNACでEVカートのコンバート講習を行っている塚本奈々美氏(NAC女子カート部部長)との対談、サイン会&記念撮影会など。カート企画では佐藤氏と塚本氏のデモランや佐藤氏の運転するカートでの同乗走行など、盛りだくさんの内容。最後にじゃんけん大会で佐藤氏のサイン入りグッズプレゼントもあり、大盛況に終わりました。

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特別講演では佐藤磨氏がレーサーを目指したきっかけ、その夢を実現するためにチャレンジを続けること、うまくいかなくてもあきらめず、とにかくチャレンジを続けることで、自分らしい人生を得ることの素晴らしさを熱く語っていただき、学生も高校生も教員も感銘を受けました。
10歳の時に初めてF1を間近に体験し、憧れたものの、モータースポーツの世界に入る方法がわからないまま普通の小学生、中学生、高校生として過ごしたこと。高校の自転車競技部(先生を説得し顧問になってもらったため、部員は自分ひとり)で、インターハイ優勝まで成し遂げたこと。そのためにどんな努力と工夫をしたのか。

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大学時代も自転車競技を続けたが、一念発起し、鈴鹿サーキットのレーシングスクールにチャレンジしたこと。ほぼカート経験なしに近い自分が、どうやって選考に残ったのか。レーシングスクールでは、他の生徒に勝つためにどんな努力と工夫をしたのか。イギリスに渡ってからのレーサー人生では、どうやって苦手な英語を習得したのか。F1チームの中で、どうやってスタッフの信頼を勝ち取っていったのか。佐藤琢磨氏、座右の銘とも言える「NO ATTACK,NO CHANCE!!」は自身のこれまでの歩みから、にじみ出てきた人生の指針のようでした。

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